先日iPhoneの液晶を割ってしまった-私にとって気になる記事がありました。
近く発表される新型で大型のアイフォーンとスマートウオッチに使われる最初のサファイア・ディスプレイが今月、アリゾナ州メサの施設で生産ラインから出てくる予定だ。
参考:サファイアガラス装備し、コスト上昇へ―新型iPhone – WSJ
記事によると、Appleはこの工場に約7億ドル(約715億円)かけているようで、この工場がフル稼働すると、現在世界中で製造されている100近いメーカーのサファイアガラス供給量の2倍になるそうです。
世界のサファイアガラスの供給量さえ変えてしまう相変わらずスケールがでかい話。
iSightカメラの使用中を示すLEDライトの穴を開ける製作機械まで作っちゃう会社ですから、iPhoneの主要部品であるガラスを製造するためなら当たり前って言えば当たり前か。
関連:これぞAppleだ!-WWDC2014 の基調講演の感想-
というわけで、 “サファイアガラス” について調べてみました。
ゴリラガラス
photo by CORNING® GORILLA® GLASS
初代iPhoneから使われているガラスが “ゴリラガラス“ という製品名の米コーニング社が開発製造する強化ガラスです。
このサイトに詳しい解説がありました。
【まとめシリーズ】ゴリラガラスのこと、まとめてみました – | Technity
このサイトによると、ゴリラガラスの原料および組成は、
窓や瓶などに使われているごく一般的なガラスは、ソーダ石灰ガラス(別名ソーダライムガラス)と言って、二酸化ケイ素(シリカ、SiO2)に、炭酸ナトリウム (Na2CO3)と炭酸カルシウム (CaCO3) を混ぜて作ります。
これに対して、ゴリラガラスの種別は「アルカリアルミノケイ酸塩ガラス」と言い、上の成分に加えて酸化アルミニウム(別名アルミナ、Al2O3)を用いて作ります。
詳しい製造方法は、企業秘密のため謎ですが強化ガラスと言うだけあって、今までのガラスの同じ延長線上にあるガラスだと言えるでしょう。
iPhoneが採用したことで有名になり、現在はほとんどのスマートフォンで使用されているようです。
サファイアガラス
いろんな製品に幅広く使われているようですが、冒頭の画像のようにiPhone5sのカメラレンズカバーや指紋認証部分のカバーに使われていて、噂されるiWatchのガラスにも採用されるのでは?と言われています。
硬さを10段階に分けたモース硬度でこの世で最も固い硬度10のダイヤモンドに次ぐ硬度9。
こちらは、原材料、生成方法も従来のガラスとは違っているようで、その名のとおり宝石のサファイアと同じ原料・組成からなる “人工サファイア“と言える物で、特徴として前述の硬さに加え絶縁性、透過性に優れていて様々な用途で使用されているそうです。
第650回:サファイアガラス とは – ケータイ Watch
「サファイアガラス」は、高純度のアルミナ(Al2O3)を人工的に巨大結晶へ成長させたものです。サファイヤクリスタル、単結晶サファイアなどと呼ばれることもあります。その名前の通り、宝石のサファイアと同様の組成をしています。
純度という観点からみると、宝石よりも混ざり物が非常に少なくなっています。ちなみに、アルミナへ微量のクロム(Cr)が混ざると赤く発色してルビーに、鉄(Fe)やチタン(Ti)が混ざると青く発色してサファイアになります。
つまり、同じガラスといっても従来のガラスとは全く別物なんですね。
メリット・デメリット
Appleがゴリラガラスに代えてサファイアガラスを採用するメリットは、硬度が上がる事による損傷修理などのコスト削減、補償費用等の減少でしょう。
最大のデメリットは、冒頭の記事でも言われているように、硬度が上がる代わりにコストが従来のゴリラガラス約3ドルから約5倍の16ドル程度に上がることですね。
ちなみに、トリニティ株式会社からサファイアガラスのiPhone保護フィルムが発売されています。
税込み価格で7,560円とゴリラガラスの保護フィルムに比べて割高ですが、それだけ製造コストがかかるようです。
まとめ
今やAppleの最大の収入源となったiPhone。
このサファイアガラス採用がいつになるか解りませんが、Appleにとって吉と出るか凶と出るかは、いかにコストダウンするかにかかっています。
でもそこは、部品調達やサプライチェーンの構築でAppleを再生させたクックさんのこと。
参考:Apple後継者にティム・クック氏が最適な理由 « WIRED.jp
こんな話↓もありますから、クック(コック)さんだけに美味しい料理にしてくれることを期待しています。
参考:iPhone6のガラスはどうなる?ゴリラガラス vs サファイアガラス。サファイア濃厚か : スマホ初心者はiPhoneを選ぶと楽しくなる
良きAppleLifeを
Written by Metal(@Metal_mac)
関連記事
コメントを残す