
こんにちは、メタル(@Metal_mac)です。
わたしは若い頃から、空気を読むとか 気配りをするとか苦手でした。
もちろん状況を見て動けないのは、わたしが未熟だったせいもあります。
しかし、今でも日本人独特の「言わなくてもわかるだろう」的なコミュニケーションの取り方ってどうなんだろうって思います。
よく職場でも「あいつはKYなヤツだ」とか「もっと空気を読めないのか! 」という人がいます。
思いやりを持って人と接するのは大切だとは思いますが、「言わなくてもわかるだろう」と相手に対して期待すると、自分の思うように相手が行動しなかった場合、ストレスが溜まります。
わたしも昔、「もっと気配りをしろ」と上司に言われたことがあります。
そんな時、いつも自分のことをダメなヤツだと思って落ち込んでいたのですが、ある時からそういう考え方を止めました。
空気を読もうなんて、変な気遣いを止めたんです。
だって人の心の中なんて、テレパシーでもない限りわかんないんですよ。
もちろん、誰もがそう割り切れるわけではないと思いますし、ついつい期待してしまうのもわかります。
しかし、そういう考え方を変えていかないとストレスから永遠に逃れられません。
自分の意見や気持ちを正しく伝え、相手の話をキチンと理解する。
つまり人とキャッチボールができる人がコミュニケーション能力が高い人というのではないでしょうか。
では、どうしたらストレスを溜めずに、しっかりと人間関係を築くことができるか考えてみました。
多様性を認める
100人いれば100人とも価値観が違い、「普通こうだろう!」という「普通」も人それぞれ。
ある人にとって普通でも、他の人にとっては、異常な事柄かもしれません。
すべての人間が同じ価値観を持つようなことはありませんし、仮にあるとしたらそれはクローン人間の集団です。
まず、世の中には、いろいろな考え方をする人間がいるという事を認めると楽になります。
『みんな違って、みんないい』ですね。
にほんごであそぼ 月の歌 – キッズワールド NHK Eテレ こどもポータル
そうやって認めてしまうと場違いな発言をする人がいても、「そんな人もいるよね」って思えて気が楽になるんです。
それに会議などで、1人だけ異論を唱える人って貴重な存在なんですよ。
物事を多面的に見ることができるので同じ意見ばかりではなく、違う視点からの意見は大事なんです。
その意見が採用されるかどうかは別にしてね。
空気を読むことはトラブルの始まり
この日本人独特の無言のコミュニケーション。
お互いに波長がある人間同士ならうまくいくのでしょうが、そうじゃないとお互い泥沼にはまります。
「アドラー心理学入門」には、こういう一節がありました。
「今日は暑いですねという言葉が 、ただ暑いという状況を叙述するということだけではなく、実は 、たとえば 、暑いのでクーラ ーのスイッチを入れてほしいという依頼であったりするのです。
このように間接的に頼むことを謙虚であるので善いと考える人もあります。
問題は自分の意図を理解してもらえなかった場合にこのようなコミュニケーションは多くは最後は攻撃的になって主張を通そうとするか、主張は引っ込めるけれども復讐的になって終わることが多いことです。
会田雄二は、察しと思いやりの世界はうまくいくと最上の世界になるが、歯車が少し食い違うと収拾がつかない憎悪とひがみの世界を作り上げてしまう、と指摘し、「察し」によるパントマイムに支えられる家庭生活の例をあげています」
なぜそんなすれ違いが起こるかというと、人それぞれの価値観が違うからなのです。
あなたにとって普通でも、他の人にとっては、異常な事柄かもしれません。
100人いれば100人とも価値観が違い、「普通こうだろう!」という「普通」も人それぞれ。
いちいち腹をたてていては、ストレスが溜まります。
男女の違いに見る価値観の違い

価値観の違いを示すわかりやすい例が、男女の価値観の違いでしょう。
あなたは仕事だけ
夫婦喧嘩になった時の典型的奥さん側の不満。それは大概旦那側が家事に非協力的だという主張ではないでしょうか?
「あなたはいいわね。仕事だけしていればいいんだから。私は洗濯したり、子供の幼稚園への送り迎えや、買い物、夕飯の支度や、ゴミ出し。一日中家で働いているのよ。それなのにあなたは、仕事だけしていればいいんだから、楽なもんよね」
ここまであからさまではありませんが、わたしも昔嫁さんに言われたことがあります。(^_^;
男から見ると理不尽極まりない主張でも、女性にとっては当たり前の主張なんです。
なぜかというと、女性の価値観は、「質」よりも「数」にあるからなんです。
女性にとっては、洗濯=1ポイント、子供の送り迎え=1ポイント、買い物=1ポイント、夕飯の支度=1ポイント、ゴミ出し=1ポイント、合計5ポイント獲得。
一方、旦那は、仕事=1ポイントだけ。
よって、私の方が重労働、という理屈なのです。
女性にとって、労働にかかる時間や仕事の量はポイントになりません。
世の中の女性全部がこういう考え方ではないでしょうが、わたしの経験上、多くの女性がこのような考え方のようです。
プレゼント
ついでに、もう一つ、男女の価値観の違いを見てみましょう。
男がプレゼントをされて喜ぶのは、高級腕時計や高価な万年筆、高価な壷でしょうか?
つまり、男は一点豪華主義で、高価なものをもらったほうが喜ぶのです。
その逆に女性は、年に一度の高級なプレゼントより、安くても良いので数多くプレゼントをもらった方が幸せを感じるようです。
つまり奥さんに誕生日だけに高価なネックレスをプレゼントするより、毎週シュークリームを買って帰ってあげた方が、家庭平和につながるのです。
多くの場合、旦那さんが奥さんをビックリさせようと、誕生日に高価なプレゼントを突然送り奥さんから「こんな高いものを買ってきて!どこにそんなへそくりを隠していたの!」とトラブルの種になるのはこのためです。
もちろん、誕生日に高価な贈り物を喜ばないことはないと思うんですが、喜んで受け取ってもらうためには、普段から貢いでおく必要があるわけです。
ですから、マ・クベ が送った壷をキシリアが、喜んだかどうかははなはだ疑問なのです。
また、男は、奥さんが何も文句や手伝いを求めてこなければ、「全てうまくいっている」と考えます。
女性同士のように相手の気持ちを思いやり、言葉の裏を読みあうようなことはしないんですよね。
なので、上記のトラブルのように、突然奥さんが噴火すると、理由がわからずにアタフタするんですよ。
わたしも嫁さんが新婚時代に突然キレて、ビックリした覚えがあります。Σ(・□・;)
コミュニケーション能力と承認欲求
ちょっと話が逸れましたが、一緒に暮らしている男女でも、これだけ価値観や考え方が違うわけですから、赤の他人と価値観を共有するには、やはり言葉によるコミュニケーションが不可欠なんです。
そして、アドラー心理学にもあるように、ストレスを亡くしたければ、きちんと言葉でコミュニケーションをとった方がお互いスッキリするし、相手に伝わるし、そこにストレスが生まれにくいのです。
相手に伝える場合、こんなことを言って失礼にならないだろうか?とか、迷惑にならないだろうか?とか気になるのはわかります。
ただ言い出しにくいからと言わないでいると、それは自分の心の声を無視し、自分を裏切ることになります。
そこにまたストレスが生まれます。
そしてそのストレスは、やがてわかってくれなかった相手に向かい、相手を責め、自分を正当化しようとしてしまいます。
「いつも私の気持ちをわかってくれない」「言わなくたってわかってよ」「そんなことに気がつかないのか!」等々。
この感情は、自分が他人から認められたいという人間の心にある「承認欲求」からきています。
小さい頃、褒められて嬉しかったのは、先生から認められた、親から認められたからなのです。
しかし、これに囚われてしまう、つまり褒められたいがために何かをやるとか、いつまでも褒めて欲しいという考え方をしていると、いつしか「他者の人生を歩く」ことになります。
ですから、アドラー心理学でも、この承認欲求を否定しています。
「承認されることを願うあまり、他者が抱いた「こんな人であってほしい 」という期待をなぞって生きていくことになる。
つまり、ほんとうの自分を捨てて、他者の人生を生きることになる。
そして、覚えておいてください。
もしもあなたが「他者の期待を満たすために生きているのではない」のだとしたら、他者もまた 「 あなたの期待を満たすために生きているのではない」のです。
相手が自分の思うとおりに動いてくれなくても、怒ってはいけません 。それが当たり前なのです 。」
すべての人に認められることなんてありえません。
なぜなら、前述の通り人それぞれの価値観に従って生きているため、同じ事をしても褒める人がいれば、貶(けな)す人がいるためです。
例えば、あなたが街頭募金に協力したとしましょう。
ある人は、素晴らしい行為だと言い、ある人は偽善者ぶりやがってと言うかもしれません。
全ての人の承認を受けるのは不可能ですし、全ての人に認めてもらおうとする行為は、全ての人に嘘をつかない限り叶えられないのです。
また全ての人と分け隔てなく接することができる人がいれば、ある人は八方美人だといい、ある人はコミュニケーション技術に優れた人だと言うでしょう。
人の価値観は人それぞれ、人の見方も人それぞれなのです。
承認欲求が強く、相手が思い通りに動かないと、いつしか敵対視するようになり、相手のことを憎むようになります。
これが「箱に入る」という状態で、すべての争いごとの原因はここにあると考えられています。
by自分の小さな「箱」から脱出する方法から
自分の意見を言う事はワガママではないのか?という意見の人もいると思います。
確かに感情をそのままぶつけたのでは、トラブルの元。
そして相手がワガママと感じるかどうかは、伝え方によるのです。
アサーション

ご存知の方もいると思いますが、アサーションというコミュニケーションスキルがあります。
「アサーション」(assertion)とは、より良い人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルの一つで、「人は誰でも自分の意見や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己主張のことです。トレーニングを通じて、一方的に自分の意見を押し付けるのでも、我慢するのでもなく、お互いを尊重しながら率直に自己表現ができるようになることを目指します。
何かをして欲しい時に自分の意見を一方的に主張するのではなく、また自分の意見を押し殺してしまうのではなく、相手に寄り添いつつ、自分の気持ちを伝える方法です。
例えば、子供が部屋中におもちゃを散らかして一生懸命遊んでいるが、もうそろそろ片付けて欲しい時。
子供に対して、「もういい加減に片付けなさい!」と怒りをあらわにしてしまうと、子供も楽しくないし、自分も楽しくありません。
また、自分で片付けた方が早いと思い、「もうあっちに行っていなさい!」と自分の気持ちを抑えて自分でやってしまうと”どうして私が片付けなければ…”という負の感情が残ります。
感情は心のエネルギーなので、こういう感情が残るとエネルギー保存の法則に従って、いつしか思わぬところへ噴出します。
「遊んでいるのは楽しいよね、もっと遊んでいたいと思うけど、もうそろそろ片付けて欲しいな。片付けてくれるとお母さんとっても嬉しいんだけど」と自分の心のメッセージを伝えるのです。
誰しも、人を喜ばせるのは楽しいこと。
よほどのクソガキ以外は喜んで片付けてくれるはずです。
まとめ
人の気持ちを察するのは、人間が共同生活を営んでいくためには必要な行為だとは思います。
しかし、それに重きをおくばかりに自分の気持ちを抑え込んでストレスを溜めたり、人を責めたりするのは本末転倒なような気がします。
下手に空気を読もうとせずに、過剰な承認欲求は捨てて、自分の価値観はひとまず横に置き「そう考える人もいるよね」と他人の多様性を認めてしまった方が、結局は心安らかに毎日楽しくストレスなく生きることができるようになりますよ。
あなたは、いつもイライラしていたいですか?
それとも心安らかに、ストレスの無い毎日を送りたいでしょうか。
空気なんて読めないんですよ。
字が書いてあるわけじゃ無いんですから。
良きコミュニケーションを
Written by メタル(@Metal_mac)
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