わたしがエバンジェリストになったPoints of You®は、イスラエル人の2人のコーチが発案したものなのですが、この思想の元となった映画があります。
それが、執筆時現在でAmazonプライムビデオで配信中の映画、ペイ・フォワード 可能の王国(原題 Pay It Forward)です。
ラスベガスに住むアルコール依存症の母と、家を出て行った家庭内暴力を振るう父との間に生まれた、少年トレバー。
中学1年生(アメリカでは7年生)になったばかりの彼は、社会科の最初の授業で、担当のシモネット先生と出会う。先生は「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」という課題を生徒たちに与える。生徒達のほとんどは、いかにも子供らしいアイディアしか提案できなかったが、トレバーは違った。彼の提案した考えは、「ペイ・フォワード」。自分が受けた善意や思いやりを、その相手に返すのではなく、別の3人に渡すというものだ。
世界平和のために
この主人公の少年(トレバー)の現実は客観的に見て幸せとはいいがたいものです。
学校では、いじめっ子との戦い、父親は出て行ったっきり帰ってこない、アルコール依存症の母と2人暮らしで兄弟もいない。
そんな彼が提案するのが、善意の連鎖です。


自分が3人に親切にする、親切にされた人はまた3人に親切にする。
これを繰り返せば、やがて世界は善意に満ちる。
学校の授業で、これを発表した彼は友人に「そんなに上手いこと行くわけないだろう!」と笑われます。
それでも、彼は薬物中毒の浮浪者を家に招き入れ食事を与え寝床を提供します。
その結末は、映画を観てのお楽しみですが、わたしがこの思想が素晴らしいと感じたポイントが3カ所あります。
連鎖を伴う善意のシステム
ひとつは、自分1人の力でやろうとせず、人を巻き込むことによって大きな流れを期待するところです。
個人の力でできることは限られています。
しかし、この方式であればねずみ算式に増えていくので、これに関わる人が膨大な量になります。
見返りを求めない
鶴の恩返しではありませんが、人は受けた愛情や恩は返そうとします。
しかし、システム的に受けた相手に返せませんから、次へ引き継ぎ見返りを求めることができません。
映画の冒頭で出てくる紳士は、車を破壊された記者に新車を渡して立ち去ります。
後日、その紳士の元へ取材に訪れた記者を脅してまで「自分の事は記事にするな」と迫ります。
このフィードバックを遮るシステムが、フォワード(前へ進む)力を与えます。
ちょくちょく耳にする話なんですが、Amazonの欲しいものリストを公開しておくと、誰かが買ってくれるというものです。
わたしの知り合いにも、「時々知らない人に買って貰うことがあるから、自分も誰か知らない人へ送ってあげるんだ。」という人がいました。
そして、その相手からお礼がしたいといわれると「誰かに買ってあげてください」と言うそうです。
このペイフォワードの連鎖と同種のものですね。
この親切というのは、なにも個人へする必要はないと思うんです。
自分が受けた感謝の印を何か形を変えて世界に貢献することでも良い。
今すぐできなくてもいい、まだ貴方が若ければ成人してから人に貢献したい。
そういう気持ちを持ち続けることが大切だと、わたしは思います。
内発的動機付け
少年が知っていたかどうかは判りませんが、他人の役に立ちたいという他者貢献は人間の本能なので連鎖が起こる確率が高いことです。
しかも、これは何かの条件つまり褒美を貰えるから親切にするといった外発的動機付けによるものでは無く、自分がやりたいからやる内発的動機付けなので途切れにくいのです。
自分が褒められたいからするのではなく、貢献したいからするという自発的な行動なのです。
まとめ
この映画を観たイスラエルのコーチYaron Golan氏とEfrat Shani氏は、もともと会社の経営者などにコーチングするエグゼクティブコーチだったそうですが、コーチングを必要とする人は実は一般の人々や弱者、トラウマを持つ人々だとの発想から、最初は自分たちで何とかしようとしたそうですが、あまりの多さに誰でも簡単に魅力的で楽しくみながらできて、人々の心に変化をもたらすことができないだろうか?
と考え2年間かけて作り上げたのが、このPoints of You®というコーチングゲームです。
わたしにも先日孫太郎ができておじいちゃんになりましたが、彼らへこの時代をPay It Forward(次へ渡す)役目はわたし達が担っているのです。
自分の中にいる本当の自分の思いに気がつき、前進できる力を与えてくれるツール、それがPoints of You®だと思います。
世界平和は必ず実現すると わたしは信じています。
Written by メタル(@Metal_mac)
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