決めた未来しか実現しない、わたしが35年間勤務した海上保安庁を辞めるときに読んだ本です。
自己啓発本が大好きな人達には、有名な本でしょう。
最近、改めて読み返して感慨深いものがあったので、書評にしました。
願望達成法の種類
この本によると「願望達成法」には、さまざまな方法があるようです。
- 目標達成型
- 引き寄せの法則型
- お祈り型
目標達成型
明確な目標と期限を決め、それに向けてこつこつと努力していく、というものです。
例えば「3年後に起業する」と決めたら、逆算して今から1年後までにやるべきこと、3年後までにやるべきことなどを書き出していく。さらに1ヵ月、1週間と単位を区切り、TODOリストを作成する。
P18
これは、自分を律して地道な努力ができる実業家や、アスリート向けとのことです。
引き寄せの法則型
願ったものが引き寄せられてくるという考え方です。願望をはっきり決めて書き出してみる.強くイメージを描くなどして潜在意識に刻み込むことによって、願望を実現するというものです。
P19
直感力に優れた人向け、ややスピリチュアルな感じです。
お祈り型
何よりイメージすることが大事で、神様、あるいは全然全能の存在にお願いすると、それが叶うとするものです。
P19
こちらは、宗教家や哲学者に多い型だそうです。
シンクロニシティに生きる
著者の本田健さんは、さまざまな方法を試したそうですが、この本で紹介しているのは前述の方法を統合していいとこ取りをした「シンクロニシティ」に生きるという方法。
一見偶然の出会いや、出来事を大切にして流れに身を委ねる生き方です。
先ず決める
自分の願望が叶ったときの状態を細かくイメージする。
つまり、理想的な未来を生きる自分から今の自分を振り返って、いつ誰に出会ったら良いか、どんなことが起きれば願いが叶うのか? を未来の自分から遡って考えるという方法です。
まず着地点を決めるんですね。
ホテル王のヒルトンは、あるインタビューを受けたとき意地悪な記者から「ヒルトンさんは、最初はベルボーイだったそうですね」と問われて「いや、ホテル王のヒルトンがベルボーイから始めたんだ」と答えたそうです。
ヒルトンは、自分はホテル王になると最初から決めて、ベルボーイをやっていた。
自分がホテル王になったときにどうしたいか?どんなサービスをお客様に施したいか?と思って行動するので、単なるベルボーイとはまるで意識が違います。
こんな風に、未来の自分から今自分にできることを決めるというやり方ですね。
ワクワクする未来
こんな未来になったら楽しいだろうな。
という自分の理想の未来、ワクワクする未来を直感で解っている人も多いでしょう。
しかし、多くの方が「そんなの無理だ」「現実的じゃない」などの理由で諦めてしまいます。
そして、そこそこの人生を生きている。
わたしが、保安庁を辞めたときには、このワクワクする未来を直感で感じていました。
「今は、ず〜っと一日中事務所の中で給与計算や勤務時間の管理表を作ったりして1日が過ぎていく」
ワクワク感が無いと仕事をする気力が無くなるわたしにとっては、とっても苦痛でした。
サラリーマンなので、与えられた仕事をしなければならないのは解っていますが、毎日が楽しくないんですよね。
それに、その職場にいても貢献感が無くなってきてしまった。
アドラー心理学でいう幸せの三原則
- 自分が好き
- 周りの人間が無条件で信頼できる
- コミュニティで貢献できる
このうち、コミュニティに貢献できない中で、ただ給料を貰うだけに出勤して不満を言っている自分がとっても嫌になったんです。
だから、丸っきり幸せを感じられなかった。
もちろん、辞めたいと思ったときに怖さはありました。
むしろ、メチャクチャ怖かった。
でもこう考えたんです。
これからの人生で、今のままでも良いことも悪いことも起きるだろう、それはワクワクする未来へ飛び込んでも一緒じゃないか
そう覚悟したんです。
シンクロニシティを引き寄せる
ワクワクする方向へ進み、あとは目の前に現れる課題をひとつひとつクリアしていく。
そうするうちに、いろんな出会いや出来事が起きていく。
しかし、こうも書かれています。
この本で私は願望達成の方法をお伝えしていますが、それは決して自分の願ったことがすべて思い通りに叶う方法ではありません。願ったことなら何でも叶う、なんでも現実になると考えてしまうのは単なる過勘違いです。
P188
一見その時は、自分の思い通りにならなくても、後から考えたら「あれがあったから現在がある」ということもあるようです。
スティーブ・ジョブズ氏の「点と点が繋がる」ではないですが、あとから解ることも多いでしょう。
今想像できる範囲で自分の人生を予想したとしても、何か大きな力によってぼかされるのが、人生なのです。思いの及ばない何かによってすでに用意されているといってもいいのかもしれません。-中略- うまくいかないときには、「そっちではないのだ」というサインだと思って、頭を切り替えましょう。
P190
まとめ
久しぶりに読んでみて、新たな発見や気づきがいっぱいありました。
今振り返ると、シンクロニシティもいっぱいありましたし、上手く行かないことも多々ありました。
自分で言うのはおこがましいですが、前職を辞めてこの1年、人間的にずいぶん成長したと実感しています。
そして、幸せも感じています。
また、新たにランデブーポイントを設定しなおして、目の前の課題を乗り越えつつ前へ進みます。
Written by メタル(@Metal_mac)
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