海難救助に従事している海上保安官は、使命感を持って働いています。
わたしもそうでした。
海難救助や人命救助に当たるときは、必ずと言って良いほど自分も危険な目に遭います。
遭難している人は、危険な状態だから遭難しているので、助けに行く方も同じような状況になることがあるのです。
辛いときもありますが、そんな時にわたしの心の支えになっていた文章をご紹介します。
海難救助
24時間、365日、いつ勤務に呼び出されるかわかりません。勤務先は都会から遠く離れ、生活に不便な場所であることがあります。
身体を酷使する、きついしごとです。油や水で全身汚れかねません。危険を伴う仕事であるのに、賃金はさして多くはありません。しかし、私達の仕事は人の命を救う仕事です。
これは、確かイギリスの海難救助隊(民間組織)の言葉だったと思います。
どこかの雑誌で見かけ、コピーして免許証入れの中に入れています。
ここに書いてあるように、いつ呼び出されるか判らないという漠然とした不安は、在職中いつもありました。
1度呼び出しを受けると、その事件・事故が一段落するまで帰ることができません。
今は、乗組員を増員するなどして軽減されましたが、わたしが、巡視船艇船長をやっていたときも、その周辺にはその1隻しかおらず、休養日や昼夜関係なく呼び出されて事件処理に当たりました。
もちろん、税金で俸給を貰っているので当たり前ですが、子供と遊ぶ約束をしていても、突然の呼び出しでキャンセルしたり、何日も帰ることができない日があると、そこは人間なので辛かったですね。
そんな時は、この言葉を思い出して気合いを入れていました。
まとめ
海難救助の最中は、「何とか助けなきゃ!」という想いが強くて、あまり怖いと思った記憶はありません。
アドレナリンが全開でした。
もちろん、万全の注意を払って救助に当たりましたが、結果的に自分の身を危険に晒すかもしれません。
しかし、「もし目の前の人を助けられなかったら、一生後悔する!」という気持ちでやっていたような気がします。
そして、人命救助は人間の持つ本能なんじゃないでしょうか。
Written by メタル(@Metal_mac)
メタルのおすすめ関連記事