このビデオでは、日本人の気持ちや、やる気が何故めげてしまうのか?
について話しています。
その大きな原因のひとつに、迷った時のよりどころ、つまり精神的な柱について語っているのですが、これってApple社をはじめとする海外のIT企業に、日本企業が太刀打ちできなくなった原因を垣間見ることができるんじゃないでしょうか。
宗教の違い

海外と日本では、文化の中の宗教というものに対する捉え方が大きく違っています。
ざっくりと言うと、欧米人であればキリスト教、中東などではイスラム教が生活に根付き、一体となって日常を形成しています。
例えば、欧米では日曜日の朝は、教会へ行く。
イスラム教であれば、朝夕お祈りを欠かさない。
というような日常の習慣です。
日本人には、こういう習慣が根付いているとは言えません。
宗教を持てとか、だから日本人は駄目なんだというつもりは更々ありませんので、誤解なきよう。
私にしても、盆と正月に墓参りをするぐらい、また初詣や時々伊勢の朔日参りに参加するくらいです。
何故宗教が、精神的なよりどころになるかというと、宗教を信じることにより迷いが無くなるからです。
問題に直面した場合、どう対処すれば良いか、自分がどう行動すれば良いかが、教典に書かれているからです。
正しく、” 信じる者は救われる”のです。
日本人の拠り所

一方、そういった宗教観が薄い日本人は、何を拠り所にしてきたか。
何によって、自分の行動を是としてきたか?
私は集団による行動だと思います。
つまり、みんなと同じ方向を向き、みんなの合意を得いて安心し、和を乱すことなく行動する生活習慣。
この和を乱すことなく行動する生活習慣により、海外から絶賛される類い希なる「他人を思いやる心」や「規律正しさ」が身についているのだと思います。
しかしその反面、独りだと不安になり、行動できなくなる原因だとも言えます。
混沌期からの脱出法

スティーブ・ジョブズ氏が低迷するAppleに戻ってきて、数々の組織改革はもちろん、精神的な拠り所を作りました。
つまり、”Think difference”です。
社員に向けて、自分たちのやっていることがどれだけ素晴らしいことなのかを確認させ、ぶれないための拠り所を作ることでした。
それは、Apple社員が拠り所とする宗教だとも言えます。
現在、当時のAppleと同じくらい混沌としているのが、今の日本のIT企業です。
精神的な柱がありません、トップが変わると言うことがコロコロ変わります。
ご多分に漏れず私の会社もそうですがw、社長やトップの意見や方針はあっても、会社としての方針というのが見えてきません。
日本のような護送船団方式は、上手くいっている時は、みんなが同じ方向を向くため力が2倍3倍にもなりますが、上手くいかなくなった時は、責任の擦り付け合い、足の引っ張り合いに発展します。
つまり、ブレまくりです。
心の拠り所

これがすべて宗教観の違いだとは言いませんが、少なくともスティーブ・ジョブズ氏は、精神的な拠り所の大切さを知っていて、AppleにDNAとも言うべきモノを残していきました。
それが、前述の “Think different“であり、 “Stay hungry,Stay foolish” なのです。
この2つ言葉、共通項があるように思います。
自分の行動を”是”とする思想です。
人と違うことをやっていても大丈夫だろうか?
誰もやったことがない(前例がない)ことだけど、これでいいのだろうか?
と自分自身が問う時、これらの言葉は二つとも「これでいいのだ!」と背中を押してくれる言葉です。
これらの言葉は、Apple社員はもちろん、Appleファンの心の拠り所になっているような気がします。
そして、そういうDNAが受け継がれている限り、Apple社はブレることは無く、スティーブ・ジョブズ氏がいなくなった後でも、素晴らしい企業でいてくれるのだと思います。
Written by Metal(@Metal_mac)
関連記事
コメントを残す